相続放棄ができないケースとは?受理されるポイントについて解説

相続放棄ができないケースとは?受理されるポイントについて解説

遺産に借金などのマイナスの財産が含まれる場合は、相続放棄を選択する方がいるのではないでしょうか。
相続放棄は問題なく受理されるケースがほとんどですが、なかにはできないケースもあるため注意が必要です。
そこで今回は、相続放棄ができないケースと受理されるためのポイントについて解説しますので、今後の参考にしてみてください。

相続放棄は多くの場合受理される

相続放棄は多くの場合受理される

遺産を受け継ぐ相続人になったものの、借金などの負の財産を負うことになるケースがあります。
遺産相続による損失を防ぐために、相続放棄の制度について知っておくことが大切です。
ここでは、相続放棄とはなにか、3つの相続方法、相続放棄の審査に分けて解説します。

相続放棄とはなにか

相続放棄とは、亡くなった方の遺産をすべて相続しない選択をすることです。
相続放棄をすると、初めから相続人でなかったものとみなされます。
借金などのマイナスの財産だけでなく、現金や不動産などのプラスの財産を受け継ぐ権利も放棄する点に注意が必要です。
相続放棄をするためには、相続の開始を知ってから3か月以内に家庭裁判所に申述する必要があります。

3つの相続方法

遺産相続には、単純承認、限定承認、相続放棄の3つの方法があります。
相続放棄は前述のとおり、プラス・マイナスすべての財産の相続を放棄することです。
単純承認は、プラス・マイナスすべての財産を相続することを指します。
一方、限定承認はプラスの財産の範囲内でマイナスの財産を弁済する方法です。
プラスの財産が多く、弁済後も相続できる財産がある場合に限定承認が選択されることがあります。

相続放棄の審査

家庭裁判所でおこなわれる相続放棄の審査は、受理されることがほとんどです。
東京高裁平成22年8月10日の判例によると、「却下すべきことが明らかな場合以外は、相続放棄の申述を受理すべき」とされています。
そのため、家庭裁判所は相続放棄について、基本的に広く受理する運用をしています。
ただし、家庭裁判所の判断によって相続放棄が確定するわけではない点に注意が必要です。
ほかの相続人や債権者から不服申し立てがある場合、相続放棄についての判断は地方裁判所が改めて行います。
地方裁判所が相続放棄の効力を否定すれば、家庭裁判所での判断は無効となります。

相続放棄ができないケース

相続放棄ができないケース

前述のとおり、家庭裁判所に相続放棄を申述した場合は、受理されることがほとんどです。
しかし、状況によっては受理されないケースもあるため、注意が必要です。
ここでは、相続放棄ができない4つのケースについて解説します。

ケース①単純承認が成立している

本人が相続するつもりがなくても、遺産に対する行為によって、法律上単純承認したものとみなされる場合があります。
単純承認が成立する可能性のある行為の例は、以下のとおりです。

●相続財産の使い込み
●預貯金の解約
●不動産の名義変更
●不動産への担保権の設定
●実家の売却


例に挙げたとおり、亡くなった方の財産や所有物を使用したり処分したりすると、相続を承認したものとみなされるため注意が必要です。
相続放棄は遺産のすべてを放棄することを意味するため、一部でも使用があると受理されない場合が多いです。

ケース②協議書に印鑑を押してしまった

相続人が複数いる場合は、遺産の分け方について決める遺産分割協議をおこなうのが一般的です。
遺産分割協議の話し合いがまとまったら、相続人全員で遺産分割協議書を作成します。
この遺産分割協議書に印鑑を押すことは、自分が相続人であることの承認を意味します。
後に相続放棄を申述しても、受理されない可能性が高いです。
遺産分割協議で相続財産を受け取らない意思表示をしただけでは、マイナスの財産を放棄する権利は生じません。
相続放棄を希望する場合は、正式に家庭裁判所での手続きをおこなう必要があります。

ケース③熟慮期間を過ぎた

相続放棄ができる期間は、民法により相続を知ってから3か月以内と定められています。
この期間は、相続するかどうかを熟慮する期間として設けられており、過ぎると自動的に単純承認したものとみなされます。
ただし、財産調査の難航などの理由により、3か月では相続放棄の決定ができないケースもあるでしょう。
その場合は、相続放棄の期間延長の申し立てをすると、3か月より長い期間の熟慮期間が認められる場合もあります。

ケース④書類に不備がある

相続放棄の手続きでは、家庭裁判所に相続放棄申述書と必要書類を提出する必要があります。
主な必要書類は、以下のとおりです。

●被相続人の住民票除票や戸籍附票
●放棄する人の戸籍謄本
●被相続人の除籍謄本


必要書類に不備があった場合は、家庭裁判所からの連絡に応じて追完をおこなえば、相続放棄は可能です。
また、申述書の内容に関して「相続放棄の照会書」が送付される場合もあります。
家庭裁判所からの連絡に対して追完や回答をおこなわずに放置すると、相続放棄は受理されません。

相続放棄が受理されるためのポイント

相続放棄が受理されるためのポイント

遺産相続によって、突然借金の返済を負うことになったら、焦ってしまう方もいるでしょう。
落ち着いて相続放棄の手続きを進めるためには、押さえておくと良いポイントがあります。
ここでは、相続放棄が受理されるためのポイントを3つ解説します。

ポイント①相続財産調査をしっかりおこなう

相続が発生したら、まず相続財産の調査をおこなう必要があります。
財産調査は個人でも可能ですが、借金の有無や所有不動産の所在地、預貯金などに不明点がある場合は、専門家に依頼することが適切です。
家族でも把握していなかった借金が後に判明すると、対応が複雑になります。
早い段階で、被相続人のすべての財産を把握しておくことが重要です。

ポイント②3か月以内の手続きを忘れない

相続放棄の手続きには、3か月以内という期限があることを忘れないようにする必要があります。
家族が亡くなると、相続関係以外にも多くの手続きが発生し、対応しているうちに3か月が過ぎてしまうことがあります。
正当な理由があれば期限の延長は可能ですが、その場合でもできるだけ早く申し立てをおこなうことが重要です。

ポイント③専門家に相談する

相続問題は、状況によっては複雑化し、一般の方では対応が困難になる場合があります。
書類の作成方法や手続きの進め方が不明な場合、または相続放棄の期限が迫っている場合には、弁護士などの専門家に相談することが適切です。
依頼には費用がかかりますが、知識不足によるトラブルを防ぐことができ、手続きに伴う精神的負担の軽減にもつながります。

ポイント④即時抗告も検討する

家庭裁判所に相続放棄を申述した場合は、前述の4つのケースに該当しなければ、ほとんどの場合で受理されます。
しかし、万が一受理されなかった場合は、2週間以内に高等裁判所へ即時抗告をおこなうことが可能です。
まれなケースではありますが、高等裁判所による再判断を求める場合は、相続に詳しい弁護士に相談することが適切です。

まとめ

相続放棄とは、プラス・マイナスの財産すべてを放棄する選択であり、多くの場合は家庭裁判所に申述すれば受理されます。
相続放棄が受理されないケースとしては、使用・処分行為により単純承認とみなされた場合や、協議書に印鑑を押してしまった場合などが挙げられます。
受理されるポイントとしては、早い段階で相続財産調査をおこなっておくこと、申述期限の3か月を忘れないことなどが大切です。

西宮テラスの写真

西宮テラス

西宮市を中心にその他周辺エリアで不動産売却をご検討の方は、ぜひ一度、弊社へご相談ください。
大切な不動産を安心して売却できるよう、親身で誠実な対応を心がけています。

■強み
・西宮市を中心とした地域密着の迅速な売却サポートが可能
・無料査定は最短即日対応可能
・相続 / 空き家 / 離婚 / 任意売却 / リースバックなど複雑な売却も対応可能

■事業
・不動産の売買 / 賃貸 / 管理の対応