現金がないときに代償分割はできる?現物提供や分割払いの注意点も解説

相続における代償分割では、特定の相続人が財産を取得し、その代わりに他の相続人へ金銭を支払う方法が用いられます。
しかし、手元に十分な現金がない場合に本当に代償分割が可能なのか、不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
実際には、不動産の売却やローンの活用など、現金以外で対応するための手段もいくつか存在します。
この記事では、現金が不足している場合に代償分割を行う方法や、その際に注意すべきポイントを詳しく解説します。
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現金がない時に代償分割はできるのかについて

相続において、不動産を特定の相続人が取得し、他の相続人に対して代償金を支払う「代償分割」は、現金が不足すると実行が難しいです。
難しい
代償分割は、不動産などの遺産を単独で取得する代わりに、他の相続人へ金銭を支払う方法です。
この方法は公平な分割を目指す際に有効ですが、前提として代償金を支払うだけの資金が必要となります。
そのため、相続人に支払い能力がなければ実行は困難です。
家庭裁判所で遺産分割調停・審判となった場合、代償金の支払能力が確認できなければ代償分割は原則認められず、換価分割など別の方法が選択されることが多い。
代償分割は金銭的負担が大きいため、安易に選択すると支払不能によるトラブルにつながるおそれもあるのです。
たとえば評価額3,000万円の自宅を長男が取得し、姉妹2人へそれぞれ750万円ずつ支払う場面を想定すると、長男の年収や既存ローン状況次第では融資審査に通らないケースが多く、計画倒れになりがちです。
金融機関は代償金支払いのみを目的とする融資を住宅ローンのように長期で組ませない傾向があるため、仮に承認されても返済期間が短く月々の負担が重い点にも注意が必要です。
遺産分割協議
現金が不足していても、相続人全員の合意があれば代償金を分割払いにしたり、不動産や有価証券で代替したりと支払い方法を柔軟に調整できます。
たとえば買主を含めた合意で締結する売買契約を利用して一括払いを避けるなど、状況に合わせた工夫が可能です。
支払い方法や期限、遅延損害金の有無は遺産分割協議書に明記し、後のトラブルを防ぎます。
実務では、利息を定めた消費貸借契約を併用し、公正証書にしておくと強制執行が容易になり、受け取る側の不安を軽減できます。
加えて、支払者が死亡した場合に残債を生命保険金で賄う仕組みを設けると、さらなる相続を見据えたリスクヘッジになるでしょう。
他の分割方法との比較
現物分割は不動産をそのまま分ける方法で代償金が不要となりますが、分筆費用や管理負担が増える点に注意が必要です。
一方、換価分割は遺産を売却し、その代金を分配する方法で、現金を確保しやすい反面、市場価格の変動リスクと売却手続きの手間を伴います。
共有分割は相続人全員で不動産を共有する形で現金不要ですが、共有状態が長期化すると管理や売却で意見が分かれやすく、将来的なトラブルの原因になり得ます。
また、共有分割を選んだうえで将来的に共有物分割訴訟へ発展した事例も多く、短期的な妥協が長期的コストを押し上げる点を念頭に置くべきでしょう。
税負担や管理費用を総合的に比較し、換価分割と組み合わせるハイブリッド型の協議例も増えています。
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代償分割で支払う現金がない場合の対処法について

現金不足の状況で代償分割を選ぶ場合は、複数の対処策を組み合わせて資金を確保する必要があります。
分割で支払う
代償金の一括払いが難しいときは、相続人全員の合意のもと、五年や十年などの分割払いを設定して支払負担を平準化できます。
分割払いの条件や遅延損害金を遺産分割協議書に記載し、不動産を担保に抵当権を設定することで履行を担保する例もあります。
また、取得した不動産を担保に金融機関からローンを組み、一括で代償金を支払ったうえで銀行へ返済する方法もあります。
金融機関との交渉では、相続税納付目的の融資商品が利用できるケースもあるため、複数行を比較しましょう。
分割払いの期間は家族構成や所得予測に応じて毎月払いではなく半年払いやボーナス併用とすることもでき、過度なキャッシュアウトを防げます。
相続登記後に抵当権を設定すると第三者対抗要件が整うため、後順位の差押えによる優先順位逆転リスクを抑制できます。
現物
現金の代わりに、不動産や自社株式など価値が同等の資産を提供する現物代償も選択肢です。
資産評価の妥当性に相続人全員が納得できるよう、不動産鑑定士や税理士の意見を活用し、公平性を担保することが大切です。
たとえば同族会社の株式を代償として渡す場合、議決権割合が変動すると経営権が分散する恐れがあり、株主間契約や買戻し特約を用いて制限をかける方法が用いられます。
農地を提供する場合は農地法の許可が必要となるため、手続きの遅延が資金繰りに影響しないようスケジュール管理が重要です。
土地を分筆する
土地を分筆して、各相続人が現物で取得すれば代償金は不要です。
分筆とは一筆の土地を複数に分けて登記し、それぞれ独立した不動産とする手続きです。
測量後に法務局で登記する流れで、測量費用は数十万円程度を見込みましょう。
なお、測量から登記完了までには通常1〜2か月を要します。
用途地域の制限で分筆できない場合もあるため、事前に専門家へ確認してください。
手続費用も考慮しましょう。
都市計画道路予定地に該当する場合、将来の収用見込みで評価額が大きく変わることから、公図と都市計画図の照合を事前に行うと誤認を防げます。
測量図を最新の座標系で作成しておけば、のちの境界トラブル防止や再売却の迅速化にも役立つため、費用対効果を踏まえて選択しましょう。
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現金がないときに代償分割をする注意点について

現金不足のまま代償分割を実行する際は、税務負担と支払いリスクを十分に把握し、書面で明確に取り決めることが欠かせません。
現物で代償するときは
譲渡する不動産の時価が取得費を上回る場合、その差額が譲渡所得となり、譲渡所得税と住民税が課税されます。
受け取る側には所有権移転登記に伴う登録免許税と不動産取得税が課税されるため、税負担を試算し、専門家へ相談しましょう。
さらに、受贈者が取得した不動産を短期で売却すると、譲渡所得に短期譲渡税率が適用されるため、保有期間の計算を誤ると予想より税負担が増える点に注意が必要です。
分割払いが滞るリスク
分割払いは柔軟性が高い一方で、収入の変化により滞納が生じやすい側面があります。
遅延損害金や期日変更の条件を事前に取り決め、抵当権設定などで他の相続人の権利を保護しておくと安心です。
滞納が長期化すると強制執行の手続きが必要になる場合もあるため、早期の協議が欠かせません。
保証人を立てられない場合は、代償金残額を担保するために根抵当権を設定し極度額を明記する方法も有効とされています。
遺産分割協議書
遺産分割協議書には「代償分割の方法として代償金を支払う」旨と代償金額・支払期日・支払い方法を具体的に記載し、贈与税課税や誤解を防ぎます。
公正証書化する際は協議書本文のほか支払計画を別紙にしておくと、変更時に一部改正で済み、手数料を抑えつつ運用できます。
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まとめ
代償分割は現金を用意できない場合でも、方法を工夫すれば実現可能であり、柔軟な対応が求められる相続手法です。
不動産や動産の引き渡し、分割払いや債務引受など複数の手段を組み合わせることで負担を軽減することも可能です。
ただし支払い遅延や口約束によるトラブルを防ぐためにも、合意内容の文書化と専門家の関与が不可欠となるでしょう。
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